不倫は民法では完全NGなことでもあり、決して本気の恋愛だったとしても、よいものとは言えません。しかし、ハラスメントなどの不健康な夫婦関係にあった被害者が、離婚をしていない身だとしても【不倫】をすることで新しい人生を歩めるきっかけになったとしたらどうでしょう?経験者に聞いた【運命の不倫】の実態に迫ります!
法的にはNGな不倫関係
昨今、芸能界でも不倫問題が浮き彫りになって、大きな反響を呼んでいます。❝反感を買っています❞の方が正しいでしょうか…。
離婚や不倫を前提に結婚する方なんて、相当な変わり者じゃない限り、基本的にはいないものです。「魔が差した」「出来心で…」「妻(夫)にないものを満たしたくて…」「夫婦不仲で…」など、さまざまな理由が挙がってくるものの、どんな理由であろうとも、不倫は民法では完全アウト!!
結婚には貞操を守る義務がある
夢のない表現ですが、結婚とは個人同士の法的な契約です。民法上、不倫は不貞行為として賠償責任の発生する契約違反でもあり、倫理的にも許されるものでもなく、決してよいことではありません。
やはりこういった話は、聞いていて気持ちのよいものではないという方が大半ではないでしょうか?
刑罰などは受けませんが、どんな理由があろうとも不倫は社会的にもNGですし、バレなければよいというものではないのです。
新しい人間関係を得て、夫婦関係を見直すきっかけに
「なにひとつ問題ない健全な関係の夫婦ですか?」と聞かれたら、自信を持ってイエスと言えますか?
というのも、表面化しにくい家庭内のハラスメント(モラハラ)やDVに気づかずに、結婚生活を続けている方も世の中にはいます。そういった場合、パートナーからの精神的な抑圧によって、正常な判断をできなくなっている可能性があるのです。外の世界や新しい人間関係を見て、初めて自分の結婚生活がハラスメントで成り立っていることに気づくこともあります。
生きづらさから始めた出会い系アプリ
今回お話をうかがったYさん33歳(子なし)も、結婚した年齢が早かったこともあり、あまり恋愛を知らない状況でしたが、もちろん不倫はいけないことと重々承知の方でした。
しかし結婚9年目になる頃、気づけば毎日とても憂うつで、精神的に気力のない日々を送っていると気づいたそうです。事あるごとに叱責するご主人の言いなりになって、怯えるように暮らしていた時のこと。
せめてもの息抜きのために出会い系アプリを使用し始めました。ここからは心の変化に注目しながらご説明してゆきます。
心の変化①毎日が楽しくなってきた
特に夫婦関係の愚痴を聞いてほしいというわけでもなく、単純に話し相手が欲しかっただけでしたが、アプリ内で知り合った方とやり取りをしていると、とても心が落ち着いたそうです。
不倫相手を探す気は一切なかったので、アプリ内で既婚であることは公表していました。そんな中ある男性に出会います。相手は年上の独身で、特にタイプでもないような方でしたが、まったく下心も感じず、毎日何気ないやり取りを楽しくできていたのです。
心の変化②彼に会ってみる
彼とのやり取りは、日に日にごく自然に色んな話題ができる関係に変化し、少しずつ信頼するようになっていきました。このやり取りだけで恋愛感情なんて抱いていなかったものの、とても気が合う印象があったので、彼も既婚者と承知の上で【友達】として、会ってみることに。
彼の休みは夫の休みとかぶらなかったのですが、夫に気づかれぬよう、なんとか都合をつけたのです。ちなみに会う話になるまでに、3ヶ月を要しています。
心の変化③久しぶり笑って話した喜び
初めて会う時は緊張しましたし、警戒もしていましたし、こんなことは結婚後なかったので不安もありました。
夫にバレたら…という恐怖の感情もあったので、軽くランチをして会話を楽しむ程度でしたが、久しぶりに笑って人と話せたそうです。もちろんプラトニックですし、そういった前提ではないため、かえってそれがよかったのかもしれません。結果として、彼の人となりや意見が知れるきっかけになったわけですから。
心の変化④ハラスメントに気づく
それからも連絡を取り続け、時間があえば彼とたまに会うようになったのです。
そんな関係が7ヶ月ほど続き、夫婦関係についても話すことも増えてきました。そして初めて知るのです、自分の結婚生活は夫のハラスメントに支配されているということに…。
これまで自分がハラスメントに遭っているとは思ったこともなく、「結婚って我慢が必要なんだ」と思ってきたことがすべて、ただのハラスメントと気づいた時はショックも相当だったとか。
心の変化⑤信頼が好意に変わる
ハラスメントに気づいたと言っても、もちろん、彼とは付き合うわけでも、身体の関係を持つこともない状況でしたが、親身になってYさんの幸せのために心を支えてくれる彼に、心が少しずつ惹かれていきます。
ただ、これは依存などではなく、純粋にこの人と一緒にいられたら、どれだけ幸せだろうと思えたのです。ハラスメントにどう打ち勝てばよいのか、心のケアもしてくれた彼に頼もしさすら感じるようになりました。
不倫をしたことによって手に入れる新しい人生
このようにして、彼女は新しい男性と関係から、自分の生きづらさがハラスメントからきていることを知りました。
これまでの生活を、我慢しながら続けていては、ハラスメントにすら気づけなかったのです。知らぬ間に感情にふたをしていた面もあるのでしょう。
時が経つにつれ、彼もYさんに同じような好意を抱いていることがわかり、次第に不倫関係に陥りました。不倫はよくないものですが、彼女にとっては彼は人生を変えてくれる救世主のようになってゆくのです。
不倫関係に陥っても離婚する気はなかった
正しくは、離婚という選択肢を持っていない状況でした。Yさんはハラスメントによって、精神的に追い込まれていたようで、結婚したからには責任があると思っていたのです。
彼がどれだけYさんに、夫の精神的な支配から抜け出すよう伝えても、彼女は離婚はできないと伝えてきました。
ここで誤解してほしくないのですが、彼は一緒になるために離婚の選択肢を勧めていたのではありません。
もしこれで、彼がただの❝略奪に燃える男❞であれば、Yさんも彼には惹かれていなかったでしょう。純粋にハラスメントに苦しむ彼女を、生きやすい方向に導こうとしてくれていただけだったのです。
しかしそんな時、事件が起こります。彼女の夫はいつも、なにか気に障ることがあると「離婚するぞ!」と彼女を脅していました。そんな❝いつものプッツン事件❞が彼女の身に起きたのです。夫は彼との関係は気づいていません。
離婚の踏ん切りがついた
毎度この、離婚してやる!という言葉に怯えて、疲弊してきた彼女。
とうとう、ハラスメントと決別することを心に誓います。彼との関係でハラスメントの知識はつけていたので、今回の離婚発言で限界を迎えたのです。
モラハラなどのような家庭内のハラスメントによる離婚は、相当の気力と忍耐が必要ですが、なにより彼の存在が支えになりました。また、このまま一生、夫の奴隷のように生きていくのはうんざりだという感情も芽生えたのです。
不倫関係があったから気づけたこと
きっかけは、一般的には理解されない・支持されることのない不倫関係だったかもしれません。
しかし、Yさんの場合、誰かに状況を話せたことや、不倫とは言え、他の男性・恋愛を知ることで、夫との夫婦関係のハラスメントに気づかせてもらえた関係です。彼に出会って気づいたのは、自分はすでにうつ状態にあったこと。無気力で夫のご機嫌取りばかりして、心身共に疲弊していく一方だったのです。
精神的にむしばまれ、離婚ということすら考えられなかった彼女が、不倫相手から人生を無駄にしないこと、これからでも遅くない、自分らしさを取り戻そうという、人生を大きく変える大切なことに気づかせてもらえたのです。
ちなみに、Yさんは離婚までに半年かかりました。夫の離婚発言はハラスメント特有の言い分、❝ただの脅し❞で、言い過ぎた・冗談だったとごねられていたのです。
離婚発言からすぐに別居をしていた彼女は、モラハラ夫から離れたことで健康な心を取り戻しています。
彼のおかげで、ハラスメント夫の呪縛から抜け出せたのです!それからというもの彼女は、笑顔も増えて、失っていた気力も取り戻し、とても楽しく生きられるようになり、人生が楽しくなってきたとのこと。
そして、夫には彼のことはバレぬまま、お付き合いを続け、3年の月日を経て、結婚に至ったそうですよ♡
絶対悪とは言えない不倫もあるのかも
Yさんの経験については、おそらく、「関係を持つ前に離婚をしておくべきだ」「本気なのであれば、なおさら筋を通しておいた方がよかった」という意見もあることでしょう。
しかし、彼とのことがあったからこそ、自分に気づけた、離婚に踏み切れる勇気を持てたという部分があるのは否めません。こういった、ハラスメントに苦しむ方にとっては、もしかしたら不倫が人生を好転させる転機になることもあるのかもしれませんね。